国家試験「第三級陸上特殊無線技士」を1日で合格する勉強方法をわかりやすく紹介します。
私は試験当日の勉強だけで一発合格することができましたが、この記事では経験をもとに勉強方法のポイントをまとめています。あくまでも私個人の勉強方法ですが、読んだ方の参考になれば幸いです。
\3アマ国家試験の勉強方法はこちら/
第三級陸上特殊無線技士の試験概要
3陸特について
「3陸特」こと第三級陸上特殊無線技士は、陸上移動系の無線局(消防無線・鉄道無線・タクシー無線などの基地局、陸上移動局、携帯局)の操作が可能になる国家資格です。近年では特にドローンの操縦に必要な資格として注目されており、ドローンを使用した空撮や画像転送システムの操作といった事業活動に活用されています。
この資格を取得すると、以下の条件を満たす無線設備の技術的な操作が可能です。
固定局、基地局、陸上移動局などの無線設備
・25,010kHz~960MHzの電波を使用する空中線電力50W以下のもの
・1,215MHz以上の電波を使用する空中線電力100W以下のもの
3陸特は無線通信技術を駆使する幅広い場面で役立ち、今後もその需要は高まるとされています。
国家試験がおすすめな理由
3陸特を取得するためには「国家試験」と「養成課程【講習会】」の2種類の方法があります。
「国家試験」は試験で合格点を取って取得する方法です。「養成課程【講習会】」は、総務省認定機関の講習会を受講することで国家試験免除をして資格取得することができる方法です。
第三級陸上特殊無線技士 | 国家試験 公益財団法人 日本無線協会 | 養成課程【講習会】 QCQ企画 |
---|---|---|
料金 | 5,600円 | 17,150円 (eラーニング) |
時間 | 試験(60分) | 法規(2時間) 無線工学(4時間) 修了試験(90分) |
試験 | 法規(12問) 無線工学(12問) | 法規(10問) 無線工学(10問) |
受講方式 | 試験(CBT方式) | 講習(eラーニング) 修了試験(CBT方式) |
国家試験はこちら | 講習会はこちら |
国家試験 日本無線協会 | 養成課程【講習会】 QCQ企画 |
---|---|
5,600円 | 17,150円 (eラーニング) |
試験:60分 | 法規:2時間 無線工学:4時間 修了試験:90分 |
法規:12問 無線工学:12問 | 法規:10問 無線工学:10問 |
試験:CBT方式 | 講習:eラーニング 修了試験:CBT方式 |
国家試験はこちら | 講習会はこちら |
比較すると分かりますが、国家試験と比べて養成課程【講習会】は費用がかさみ、講習における拘束時間も長いので受講ハードルが高いです。講習は合計6時間も拘束されますが、eラーニング受講が可能なので自宅などでPC・スマホから動画視聴するだけで養成課程を受講できるのが幸いです。
しかし、養成課程【講習会】の場合でも修了試験に合格する必要があるので注意。結局のところ試験を受ける必要があるため、居眠りせずにちゃんと学習しなくてはなりません。問題数はさほど変わらず簡単に合格できる試験なので「国家試験」をおすすめします。
会社が費用負担する場合なら講習会はアリだと思いますが、自費の場合は国家試験をおすすめします
合格点と合格率
法規・無線工学 | 各科目全体 | |
配点 | 5点/1問 | |
問題数 | 各12問 | 全24問 |
満点 | 60点 | 120点 |
合格条件 | 6割以上 | |
合格点 | 40点以上 (8問以上) | 80点以上 (16問以上) |
上記は3陸特(2陸特)の合格条件です。
合格ラインとしては「科目足切り」に注意して2科目でそれぞれ8問ずつ正答(40点以上)し、全体で80点以上である必要があります。国家試験における合格率は85%前後と高めで難易度の低い資格試験となります。
3陸特(国家試験)勉強方法まとめ
受験日を設定しよう
勉強時間としては3〜4時間あれば満点を狙えるレベルまで仕上がるため、受験当日に勉強を始めても合格可能です。合格ラインを超えるだけならもっと短くても可能かと思います。
私が実際に実行した受験日設定として「休日夕方の受験」を申し込んでおき、受験当日の日中に勉強する方法がおすすめです。2万円弱を支払って「養成課程【講習会】」で長時間拘束されることを思えば、受験当日に4時間程度の勉強スケジュールは容易かと思います。
不安な方は前日から勉強を始めましょう
過去問題を用意しよう
3陸特の国家試験では過去問題がそのまま出題されるため、過去問題を周回して正答パターンを暗記するだけで合格可能です。インプット(参考書)は不要なので過去問題テキストを用意しましょう。
おすすめの過去問題は誠文堂新光社「特殊無線技士問題・解答集シリーズ」ですが、書籍版だけでなくアプリ版もあるので好きな方を選んでください。私は寝転がって学習できるアプリ版を利用しました。
3アマ試験でお世話になった「要点マスターシリーズ」に三陸特があれば迷わずに購入していたけど、なかったので他社テキストを探したところ今回のアプリにたどり着きました
こちらの過去問題は5資格セット(2陸特、3陸特、1海特、2海特、航空特)になっていますが、アプリ版であれば1資格ずつ課金購入できるので書籍版よりも安く利用できるメリットがあります。
書籍版 | 5資格セット(3,300円) |
アプリ版 | 1資格ずつ (各 650円) 5資格セット(1,500円) |
書籍版 | 5資格セット 3,300円 |
アプリ版 | 1資格ずつ 各 650円 5資格セット 1,500円 |
今回のテキスト代は実質650円です
\書籍版はこちら!/
学習方法(試験当日)
アプリ版(2024年度)には過去問題(3陸特)は全147問が収録されており各項目ごとに分類されています。
法規 | 全73問 |
無線工学 | 全74問 |
上から順番に始めて、1項目を2〜3周して正答率100%になったら次の項目へ進みます。全項目を終えたらまた一番上から全147問を繰り返して、記憶の定着具合を確認しましょう。不正解のある項目を重点的に復習して、最終的に全147問の正答率100%にしましょう。
実際の試験は、問題文や選択肢がそのまま使い回されていて驚きます。内容を理解していなくても問題文と正答パターンを覚えていればスラスラと解けるようになります。
暗記が得意な方なら仕上がるまで3時間も必要ないかもしれません。
アプリの全147問を解ければ合格します
実はこの過去問題アプリに未収録の「周波数の計算問題」が本試験に出題され、初見問題として不正解になり1問だけ落としてしまった
試験当日の様子
試験当日に勉強を開始して4時間ほどかけて過去問題アプリの正答率100%になったので、休憩を挟みつつ17時台の試験に向かいました。
先日受験したITパスポート試験と同じ会場で受験。受付時間の30分前に訪れると、三陸特の受験者が私だけだったようで「すぐに開始できますがどうしますか?」と聞かれ、待つ理由もないのですぐに開始した。
試験時間60分に対して15分で解答して退室し、受付で試験結果レポート(A4用紙)を受け取って帰宅。CBT試験は試験終了時のPC画面に試験結果レポートが表示されるので、その場で合格ラインかどうかを判断できます。
私の試験結果レポートですが、115点(120点満点)なので1問だけ不正解で満点を逃した。先述しましたが、この1問は過去問題アプリに未収録の問題だったため初見問題として不正解でした。
問題内容は「周波数の計算問題」ですが参考書によっては学習できたかもしれませんが、今回使用した過去問題アプリのみだと対応できない問題も出題される可能性はゼロではありません。しかし合格点だけが目的なのでサクッと短時間の勉強だけで十分かと思います。
試験問題(全24問)のうち、23問が過去問題アプリからの出題でした
免許申請の準備をしよう
公式HP記載の目安としては、試験から2週間以内に「試験結果通知書PDF」がダウンロード可能になるので、合格が確定したらすぐに免許申請をできるようにあらかじめ必要なものを準備しておくといいでしょう。
- 免許申請書(ダウンロード)
- 写真(30mm✕24mm)
- 住民票の写し
- 封筒(書類送付用)
- 封筒(返信用)
- 返信用切手(460円分)
- 収入印紙1750円分
すでに無線従事者の免許(アマチュア無線含む)を所持する場合は「住民票の写し」が不要です。無線従事者番号の記入だけで身分証明を免除できます。
私のときは試験の2日後に試験結果通知メールが届いたので、さらに翌日には免許申請書類を郵送しました
\免許申請方法はこちらを参考/
まとめ
3陸特を試験当日の1日だけで合格した勉強方法の紹介でしたが参考になれば幸いです。
私は理由あって3陸特の受験でしたが、多くの方は一発目から「2陸特」を受験しても難易度は大して変わらないでしょう。3アマ国家試験でお世話になった参考書「要点マスターシリーズ」は3陸特にはないけど2陸特にはあるので、勉強方法としても2陸特の方が捗る気がします。
近年はドローン撮影における事業も増えているので需要の高まっている人気資格かと思います。試験は簡単に合格できる難易度のため、少しでも興味のある方はチャレンジしてみてください。
それでは試験勉強がんばってください。
\2陸特の挑戦におすすめ!/
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