ITパスポートという国家資格をご存知ですか?
ビルメン業務は電気や空調、給排水などのビル設備に関するものが中心ですが、意外とビルメン界隈にもITは深く関わっているのでITパスポートに興味を持つ人もいるのではないでしょうか。
今回はITパスポートを受験したときの体験談を紹介します。これから受験を考えている方の参考になれば幸いです。
略して『Iパス』と呼ぶらしいよ
ITパスポートについて
ITの基礎知識を証明する国家資格
ITパスポートとは、ITを活用している情報技術や経営全般に関する基本的知識を証明する国家資格です。IT初心者から非エンジニアでも受験可能で、ITやビジネスに関する知識を学ぶのに最適です。資格取得することで、ITにおける基礎知識を有することを証明できるため、IT分野における転職やキャリアアップにも役立ちます。
ストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3分野です。
ビルメン業界におけるITパスポート
ビルメン業務において必要性ゼロですが、IT知識としては無関係とは言い切れません。空調関係で例えると、センサーで温度感知をしてアクチュエーター(電磁弁)が動作するようなloTシステムは立派なIT技術です。
中央監視はもちろん様々なビル設備がIT技術によって成り立っています。各分野について普段のビルメン業務に当てはめるとイメージしやすいです。
- 情報セキュリティ:ビル内の監視カメラやセンサー類を含むIoT機器のセキュリティ対策、従業員や設備のデータ保護、アクセス制御の管理
- ネットワーク:中央監視システムのネットワーク構成やトラブルシューティングの基本理解、ネットワークの監視と故障時の対応方法
- ITサービスマネジメント:設備管理システムの運用・保守における課題解決手法、サービスデスクやインシデント管理の基本
- プロジェクトマネジメント: ビルの新規ITシステム導入プロジェクトの基礎的な進行管理、リソースやスケジュールの調整、リスク管理
- 表計算(Excel):関数やデータ集計、グラフ作成など業務関数やデータ集計、グラフ作成など業務効率化に役立つ基本操作や活用方法、設備データの分析や報告書作成
ビルメン業界では設備管理や中央監視システムのIT化に伴う効率的な運用が求められています。そのためITパスポートで得られる知識はビルメン現場で働いていて無駄な知識ではなかったりします。
ビルメンの私が受験した理由
単純にIT知識の力試しをしてみようと思ったのがキッカケ。一応はレンタルサーバーを利用してブログ運営をしているくらいのIT技術には普段から触れていたからです。
もう1つの理由は、2年前に受験したビル管理士から資格勉強をしていませんでしたが、また資格取得の意欲が復活してきたのでリハビリを兼ねての資格受験にITパスポートを選んだという経緯。
転職して激務現場ではなくなり勉強する余裕ができました
ビルメン業務には必要ない資格ですが、ITパスポートで学ぶ知識はビルメンとして役立つかと思います。中には経営戦略など企業活動に関する分野も含まれていて「IT」に関係ない問題もあります。
最近、新しいビルメン会社に転職したばかりの私ですが、入社研修で学んだ内容にはITパスポートで勉強した分野が多く含まれていました。(第一種衛生管理者に関連する内容も多かった)自分の務めているビルメン会社の経営情報・ビル管理システムについて少しでも理解を深めたい方には、ITパスポートは良い勉強機会かもしれません。
ITパスポート受験の様子
申込みについて
ITパスポートはCBT試験となるので試験日程は豊富で、試験会場も多くなるべく近場での試験が可能となるメリットがあります。私は1ヶ月ほどの勉強期間を設けて申し込みをしました。
私が申し込んだ会場はこじんまりとした小ビルでしたが月15回程度の試験回数があり、1日の中でも受験できる時間帯が複数ある中から選べます。2日に1回以上のペースで試験が実施されていると考えると自由度が高く、好きなタイミングに受験できることが大きなメリット。
はじめてのCBT試験の様子
予約会場は自宅から徒歩圏内なので楽をすることができた。回数の多い試験なので当日の会場は混み合うこともなく、同じ回で受験していた方は私を入れて6名ほどでガラガラでした。
受付後は時間まで待機、入場時間になるとPCの並んだ部屋へ案内(身分証確認あり)されて席へ着く。デスクにはメモ用紙とペンが用意されているので計算問題で使用することができる。
合計100問(3分野)なので、これまでに受験したビルメン資格と比べると問題数はボリュームが多いです。しかしスラスラ解ける問題が多くて試験時間がカツカツになることはないかと思う。
そして試験時間120分のところ60分程度で解答完了、10分ほど見直しをしてから退室しました。
各分野3割(300点以上/1000点)で足切り回避、総合点6割(600点以上/1000点)で合格です。
一般的なビルメン資格の科目合格はだいたい「4割以上」が相場でしたが、ITパスポートでは各分野の足切りが「3割以上」なので合格ラインはそこそこ低いと思う。
解き終えてCBT試験の終了操作をすると画面に採点が表示され、このときに合格ラインをクリアしていることを確認できます。当日中には公式サイトのマイページでも採点を確認できます。私の採点は625点で足切りもなく合格確定ですが正式に合格発表(翌月)されるまではなんだか安心できませんね。
合格ラインが低いので軽い気持ちで受験しましたが、勉強期間1ヶ月で点数はギリギリだったので油断禁物な試験です
試験勉強について
勉強方法は参考書1冊(演習問題付き)を1周読んでから過去問題をひたすら周回するという定番の勉強方法です。正式に合格発表されたら勉強方法の詳細を別記事で紹介しようかと思います。
CBT試験を利用するのは初でしたが、公式サイトには「CBT類似体験ソフトウェア」というダンロードコンテンツが用意されており、試験前に実際のCBT試験を体験しておくことができます。内容は年度別の過去問題なので勉強としても利用できます。(対応OSはWindowsだけなので注意)
試験本番でCBT操作に戸惑うのは時間の無駄使いとなるので、試験前に一度はCBT試験を体験しておくことをおすすめします。
まとめ
採点がすぐに確認できるので合否についてはすぐに判断できますが、正式な合格発表は翌月となります。合格内定はしていますが正式な合格が確定していたら勉強方法に関する記事も紹介します。
ビルメン業界に限らず会社員からフリーランスまで、IT技術に関する一般教養として身に着けておくいい機会になる資格かと思います。合格ラインが低いので興味があれば受験してみてはどうでしょうか。