とある商業施設ビルメンの宿直ルーティン|24時間勤務の実態と体験談

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ビルメン宿直ルーティン
この記事でわかること

宿直ビルメンの1日の流れを紹介!

現役ビルメンの実際の業務内容を知ることでビルメンへの転職を考えている方、これから初めての宿直勤務を控えている方の不安が解消されます。

この記事では、商業施設ビルメンである私の宿直ルーティンを紹介します。

ビルメンの宿直(しゅくちょく)とは、配属されている施設に24時間常駐して施設内にある設備を24時間体制で管理する勤務形態です。休憩時間を差し引けば16時間労働です。

1回の出勤で2日分働くというイメージです。

私がビルメンへの転職を選んだ経緯は『運営者プロフィール』で綴っているので、興味のある方は覗いていってください。

こんな方におすすめの記事
  • ビルメンの宿直って何をするの?
  • 商業施設ビルメンは本当に激務?
  • 宿直の24時間の流れを知りたい
もくじ

商業施設ビルメンの宿直ルーティン

当現場では9:00〜翌9:00の24時間ですが、配属される現場によって始業時刻は異なります。始業時刻は遅い方が朝ゆっくりできて楽です。

清掃員、警備員も常駐しているため我々ビルメンは設備関連の業務に専念しています。

警備業務を兼任するビルメン現場も存在します。

とある商業施設ビルメンの1日

出社

始業10分前には中央管理室へスタンバイして宿直明けビルメンから引き継ぎを受けます。

たまに始業1時間前から業務を始める意識の高いビルメンとペアになりますが、私は始業前の作業は基本的には付き合いません。

宿直勤務スタート

日勤担当1名、宿直担当2名で業務が始まります。開店前に客用エリアやテナント内での業務を行います。清掃員からトイレ周りの不具合報告、警備員から自動扉・エスカレータ起動時の不具合報告があれば対応します。

開店、巡回点検と検針業務

開店後は裏方の業務へ移ります。2名で分担して各設備の巡回点検・検針を行います。用紙へ記入した記録をPCへ入力し終わる頃には午前が終わります。

巡回点検は様々な部屋の鍵をたくさん使用しますが、鍵の紛失は大問題なのでカラビナ&チェーンに繋げて持ち歩きます。

新人ビルメンが準備するべきもの!

昼休憩(60分)

交代で1時間の昼休憩をとります。フードコート、スーパーや弁当屋へ買いに行く人、持参した弁当を食べる人など様々です。

午後の業務

営業中は基本的に裏方の業務を行います。

月次作業、各設備の点検・メンテ、臨時の営繕まで様々ですが、何もない時間は中央管理室で待機しつつトラブル発生時の対応をします。夜間にのんびり過ごしたいので昼間のうちに仕事を減らしたいです。

待機中はPM担当やテナント従業員からの電話対応も行います。

1つだけ言えることは、暇なときはずっと暇だし、忙しいときはずっと忙しい。

作業量の多い日ばっかりの人や、少ない日ばっかりの人もいるシフトガチャです。

夜休憩(60分)

交代で1時間の休憩をとり夕食を食べます。

日勤者が帰宅、ここから先は宿直担当2名だけになります。

夜の業務の準備

閉店後の業務の段取りをして待機です。

閉店、夜の業務スタート

閉店と同時に夜間の業務を開始します。

テナント内や客用エリアでのお客様や従業員がいるとできない作業は開店前か閉店後にやります。

昼間にトイレ詰まりがあった場合は使用禁止にしておき閉店後に対応します。女性トイレや女性更衣室などは人が居なくなる時間まで待たないと入れません。

ついでに点検・工事・清掃などを行う業者が閉店と同時に来館することが多く、鍵の貸し出しや立ち会いなどの業者対応が立て込むとダルいです。

一息つける時間帯

よほどのトラブル対応や臨時作業、業者の立ち会い等が重ならなければ大抵の場合は22時頃には落ち着いています。何もない日は21時前には暇になることもあるし、月に1回くらいは忙しいハズレ日があります。

たまに24時を超えてしまう日もあります。

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仮眠時間(6時間)

この現場では宿直担当2名が同時に仮眠室へ入ります。

0時までに作業が終わらないとき、トラブル対応していたり、夜間の業者立ち会いが必要なときは寝ずに対応しますが、起きていても手当が1円も発生しない現場なので寝たいです。

ちなみに年配者ビルメンはトイレが近く何回も起きます。

相方ビルメンが夜な夜な仮眠室を出入りしたり無駄に早起きをすると、そのたびに配慮のない大きな扉の音で起こされるので勘弁してほしいです。相方のイビキがうるさくて耳栓がないと眠れない方もいます。

起床後の業務スタート

6時前に起床して中央管理室へスタンバイ。

スマホのアラームで自力起床しますが、たまに新人ビルメンが寝坊をします。相方ビルメンが起こすこともあれば、起こさずに放置する人もいます。

水質検査をしたり、夜に対応したトイレ詰まりが解消されているかの確認など、朝は基本的に業務が少ないので帰り支度をしたり朝飯を食べたり自由に過ごします。ハズレ日だと大型テナント内にある大量の空調機のフィルター清掃を朝に行います。

引継ぎをして退勤

次の宿直担当者へ引継ぎをします。

よほど大きなトラブルでもなければ残業はなく退勤できます。

帰宅(明け休み)

帰宅してもまだ午前中で、その日は明け休みで、翌日は公休となります。

基本的に宿直→明け→公休のローテーションの現場が多いけど、宿直がなくて日勤夜勤のみでローテーションする現場も存在します。

明け休みを含めて実質 “2連休” として過ごせます。24時間勤務といっても1回出勤すれば2連休として考えると気持ちは随分と楽です。

業務内容について

商業施設では基本的には営業中営業時間外で作業が分かれます。

お客様や従業員がいるとできない作業(トイレ周りの不具合解消、照明器具の交換、空調機のフィルター清掃など)は始業前か閉店後にやります。

営業中にできる業務
  • 裏方エリアでの作業全般
  • 各設備の点検・清掃・メンテ
  • 空きテナント内での作業
営業中にできない業務
  • 客用エリアでの作業全般
  • テナント内での作業全般
  • 厨房給排気ファン停止を伴う作業

開店準備をしている朝は不具合報告やクレームが多くてドタバタするので、どちらかというと夜の方がゆっくり作業できます。

しかし夜間は専門業者の工事・点検・清掃などが入ることもあります。鍵や備品の貸し出し、現場への案内、立ち会いなどの業者対応が面倒です。

裏方の業務として主に各設備の月次作業(点検・メンテ・清掃)を実施して、不定期業務として設備の消耗部品の交換、不具合機器の修理・交換、その他の施設内における営繕を行います。

その間にもクレームやトラブルが発生すれば作業を中断して対応します。

業者対応、不定期業務、トラブルが重なる日は待機時間が減ってしまうので我々はハズレの日と呼んでいます。

クレームや緊急時の対応について

100店舗を超えるテナント、商業施設という膨大なお客様が利用する施設なのでトラブルは避けて通れません。

異常を感知した設備が発報したり、テナント従業員、清掃員、警備員、インフォメーションからいろんな報告が入ります。

よくあるテナント対応
  • 室内が寒い・暑い
  • ゴキブリや蜘蛛が出た
  • 天井から水が漏れてくる
  • ブレーカが落ちた
  • 照明を交換してほしい
  • 椅子・テーブル・ドアノブのガタつき
よくある設備不具合
  • 照明器具の不点灯
  • トイレの詰まり・不具合
  • 消防設備の誤作動
  • 排水槽の満水警報
  • 漏電注意警報
  • 雨漏り、雨水の侵入

待機中に設備発報や電話が鳴ると「うわ…」と身構えちゃいますね。

試験日間近で勉強を追い込みたいときに限ってトラブルが増える呪いが発動します。ビル管試験日の2週間前からマジで職場での勉強が進みませんでした。

ちなみに、お客様が原因による緊急時対応が多いのも商業施設の特徴です。

お客様が原因のよくあるトラブル
  • エスカレーター非常停止
  • 駐車場エリアで物損事故
  • 排煙口開放スイッチを押す

エスカレーターでは子供がふざけていたり、女性がロングスカートを巻き込んだり、降りる際に転倒したり様々な理由で非常停止します。機械的な不具合であれば専門業者へ点検を依頼します。

子供から大人に限らずお客様が排煙口開放スイッチを押す事案が度々あります。そこにスイッチがあれば押したくなるのが人間の性なのでしょうか。

駐車場エリアではよく移動式粉末消火設備がふっ飛ばされています。逃げてしまう人もいれば正直に申し出てくれる人など様々です。

待機時間について

中央管理室には最低でも1名待機していればいいので各々が自由に過ごしています。緊急時は各自が持っている社内携帯で呼び出します。

待機時間にできること・できないこと
  • 資格勉強
  • スマホゲーム
  • 漫画アプリ
  • 読書
  • 館内散歩
  • ネットサーフィン
  • 店舗へ買い物
  • 喫煙休憩
  • 動画視聴(無音)
  • 敷地外へ外出
  • 飲酒
  • ガチ睡眠
  • イヤホン着用

待機時間は眠気との戦いなので脳を使う暇潰しが必要です。

私の現場ではWi-Fiや業務PCが使い放題なのでネットサーフィンしたり、スマホゲームや漫画アプリで時間を潰しているビルメンが多いです。私以外に勉強をするビルメンは見たことがありません。

たむ
アタリ現場だとけっこう自由に過ごせるよ!

自由と言っても緊急時にすぐに対応できない状況はNGです。

基本的には館内にいること、電話や警報に反応できる状況であること。

夜間の待機時間は仮眠に備えてシャワーを浴びます。フィルター清掃やトイレ作業で作業着が不衛生なことも多く、仮眠用の布団シーツは週に1回交換していますが、汗を流して着替えてから仮眠するのが暗黙のルールです。

仮眠と深夜業務について

夜間は宿直担当2名が同時に仮眠に入ります。

緊急時は警備員に起こされるけど、何も無ければ朝まで6時間弱の休憩ができます。必ずしも睡眠を取る必要はないので、平気な人は起きて時間を潰していても大丈夫です。

起こされるのは下記のような事案のときです。

これまでに起こされた事案
  • 感知器、防煙シャッター等の誤作動
  • 漏電感知発報
  • 飲食店の給湯管から湯が吹き出す
  • 活線作業していた工事業者がやらかす
  • 防虫業者の殺虫剤で煙感知器が発報
  • 地震発生
  • 台風対応(雨漏り、地域停電とか)

トラブル自体は10〜30分程度で解決したとしても、報告書作成に1〜2時間かかって睡眠時間が減ってしまうこともあります。

トラブル時はPM担当者へ一報を入れるルールのためド深夜だとしても電話で起こして報告をします。朝に報告をすると「なんでトラブル時に報告しなかったんだ」という問題になるためです。

ストレスから若手のPM担当者が飛んでしまったり、退職者が多くて定着しないところを見ていると、このド深夜の電話が申し訳なさすぎて辛いです。私も激務工場でメンタルを壊した経験があるので気持ちが分かります。

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基本的にコミュ障には厳しい

ビルメンはコミュ力が必要な仕事です。

オーナーや警備員、清掃員、業者との連携は必須で、商業施設の100店舗を超えるテナント従業員とのコミュニケーションもあります。状況説明、業務説明など解りやすく簡潔に説明できる知識や頭の回転が必要です。

サービス業は未経験だった私もはじめはキョドりながら対応していたけど、ビルメン4年目に入った今ではそれなりに丁寧な真面目くんとしてコミュ力を身に付けました。

ビルメン業務の7割くらいはサービス業みたいなものでコミュ障の方は覚悟しておいてください。続けていれば嫌でも慣れるので我慢です。

まとめ

地方独立系で働く、とある商業施設ビルメンの宿直ルーティンでした。

この記事を読んだことで宿直勤務について具体的なイメージができたと思います。ビルメンへ転職を考えている方、初めての宿直勤務を控えている方、不安は解消されたでしょうか。

少しでも参考になれたら幸いです。

ビルメン界隈では商業施設は激務現場とされているけど、私感ではどんなに忙しくても以前の激務工場に比べたら圧倒的に楽です。デスクに座っていられる時間があるだけで天国。

別界隈で激務を経験をしていたり、ブラック経験者であればビルメンの激務現場なんて天国に感じることでしょう。体力的な負担やストレスを減らしたい方におすすめな職種です。

ビルメン転職におすすめ

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