IT初心者でも「ITパスポート」を合格する勉強方法をわかりやすく紹介します。
私も最初はまったくのIT初心者でしたが勉強期間は1ヶ月間で無事に一発合格しました。この記事では、そんな私の経験をもとに初心者向けの勉強方法のポイントをまとめています。
あくまでも私個人の勉強方法ですが、読んだ方の参考になれば幸いです。
ビルメンだけどITパスポートを取得したい!試験当日の流れと体験談
ITパスポートの試験概要
ITパスポートについて
ITパスポートとは、ITを活用した情報技術や経営戦略に関する基本的知識を証明する国家資格です。IT初心者から非エンジニアでも受験可能で、ITやビジネスに関する知識の学習に最適です。資格取得することでITにおける基礎知識を有することを証明できるため、IT分野における転職やキャリアアップにも役立ちます。
構成はストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3分野で、各分野における項目内容は下記の通りです。
分野(全100問) | 項目 |
---|---|
ストラテジ系 (35問程度) | 企業活動 法務 経営戦略マネジメント 技術戦略マネジメント ビジネスインダストリ システム戦略 システム企画 |
マネジメント系 (20問程度) | システム開発技術 ソフトウェア開発管理技術 プロジェクトマネジメント サービスマネジメント システム監査 |
テクノロジ系 (45問程度) | 基礎理論 アルゴリズム プログラミング コンピュータ構成要素 システム構成要素 ソフトウェア ハードウェア 情報デザイン 情報メディア データベース ネットワーク セキュリティ |
分野 (全100問) | 項目 |
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ストラテジ系 (35問程度) | 企業活動 法務 経営戦略マネジメント 技術戦略マネジメント ビジネスインダストリ システム戦略 システム企画 |
マネジメント系 (20問程度) | システム開発技術 ソフトウェア開発管理技術 プロジェクトマネジメント サービスマネジメント システム監査 |
テクノロジ系 (45問程度) | 基礎理論 アルゴリズム プログラミング コンピュータ構成要素 システム構成要素 ソフトウェア ハードウェア 情報デザイン 情報メディア データベース ネットワーク セキュリティ |
【ITパスポート試験】情報処理推進機構(公式HP)
試験日程と申込み方法
ITパスポート試験は、全国47都道府県の試験会場にて随時実施されており、CBT方式にて実施されるため試験会場が多いのが特徴的です。土日(毎週)の実施日、時間帯は2〜3部(午前・午後・夕方)のうちから都合のいい時間帯を選択でき、会場によっては平日(毎週1〜3日程度)に実施していることもあります。
移動範囲を問わなければ毎日のように試験実施しています
合格点と合格率
ITパスポートの試験時間は120分で、原則としてCBT方式での試験が実施されています。受験者は会場に設置されたPC(マウス・キーボードによる操作)を利用して試験問題を解答します。
合格基準 | |
---|---|
総合評価点 | 600点以上/1,000点 |
分野別評価点 (3分野) | 300点以上/1,000点 |
試験における出題数100問(1,000点満点)に対して、全体600点以上(各科目300点以上)の正答で合格です。分野別評価点はストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野で、すべての分野にて分野別評価点を超え、かつ全体でも総合評価点を超えていなければ合格となりません。
各分野の合格ライン「3割以上」とハードルが低いおかげもあり、ITパスポート試験は平年で合格率50%台と安定しています。出題数100問はボリュームが多いですが合格ラインの低さをモチベーションにして挑みましょう。
合格ラインは「全体の6割以上(各分野は3割以上)」という意味
初心者向け1ヶ月間の勉強方法
紹介する勉強方法は合格のみを目的とした短期集中スタイルのため、高得点狙いや実務知識の学習には向いていません。十分な知識を身に着けたい方は時間をかけて長期的な学習を行ってください。
受験時期を設定しよう
まずは1ヶ月間の勉強期間を考慮した試験日を設定します。勉強開始するまでの準備期間も含めて1ヶ月半〜2ヶ月後くらい余裕を持たせた日程にするといいでしょう。
期間が空きすぎるとモチベーションが下がってしまう可能性があるので注意
受験申し込みを済ませよう
受験時期を設定したら早急に申し込みを済ませましょう。「勉強をある程度仕上げて自身をつけてから試験に申し込もう」という考えは捨ててください。知識ゼロの段階でも試験に申し込むことで「もう後に引けない状況」を作り、自分を追い込むことで嫌でも勉強開始することができます。
参考書を購入しよう
短期集中として参考書選びにかける時間が勿体ないので、目移りせずに最も高評価の参考書を購入しましょう。おすすめは「いちばんやさしい ITパスポート」シリーズで、キャッチコピーの通り初学者に優しい参考書です。
紹介した参考書は私も実際に使用しましたが、初見の項目でもスラスラと読み進めることができる読みやすさが特徴的に感じました。インプットしながらも演習問題でアウトプットできて記憶に定着しやすいです。
購入の際は必ず最新シラバス(最新年度)に対応していることを確認しましょう
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学習①(インプット編)
受験1ヶ月前、まずは参考書を1周だけ読みます。2週間程度かければ1周でもそれなりに理解して読み終えることができます。不安項目や忘れてしまった項目については当該項目だけを読み返せばいいので、まずは時間をかけ過ぎずに1周読むことを優先します。
参考書の内容は、知識ゼロの状態でも理解しやすい構成で覚えるべき項目や頻出問題など紹介されていて効率よく学習できます。経営戦略やIT機器など、どんな職業にも関わってくる要素なので、あなたの実際に働いている職場環境に当てはめて考えてみると覚えやすかったりします。
- 1つの項目を20〜30分程度で読み切れる分量
- インプット(解説)とアウトプット(例題)がバランス良い
- 重要用語をまとめた「寝る前の10分」「試験前」の復習ページ
- 1項目を20〜30分程度で読み切れる
- インプットと過去問題のバランス良い
- 「寝る前の10分」で重要用語を復習
一周読み終わった後はひたすら過去問題の周回に入るので参考書の出番はほぼ終わります。しかし、間違えた問題の確認や忘れてしまった分野を再確認するために参考書は手元に置いておきましょう。
これまでに取得したビルメン資格も、これくらい読みやすい参考書があればもっと楽しく勉強できたんだろうな…とくにボイラーとか
学習②(アウトプット編)
参考書を1周読み終えたら残り期間でひたすら過去問題を周回しましょう。
周回には無料の過去問題サイト「ITパスポート過去問道場」がおすすめ。試験回・分野・計算問題の有無・問題数などを指定してカスタム出題することができるので分野を絞って集中的な周回がしやすいです。はじめは過去5回分までの試験回を周回しつつ、苦手分野について絞って追い込むという流れ。
- 不正解の問題は解説を読んで理解する
- 苦手分野の正答率を上げる
- たった3割の正答で科目合格
上記を意識して過去5回分を正答率90%以上まで仕上げたら本試験で合格ラインを十分に狙えるレベルかと思います。
効率的な勉強方法のコツとして、直近5年程度までの過去問題に絞って繰り返し解くことで最新の出題傾向や試験の形式に慣れることが重要です。IT分野における技術は目まぐるしく更新されるため試験における出題傾向も頻繁にバージョンアップされています。あまり過去問題を掘り下げても無駄になる場合があります。
過去問題がそのまま出題されやすいです
学習③(捨て問題)
「合格点さえ取れればいい」という場合、特定の科目を捨て問題とする方法があります。
実際に私は「プログラミング」の項目を勉強せずに挑んで一発合格しています。同様にプログラミングについて知識ゼロの方は、参考書でいう第9章 基礎理論とアルゴリズムの一部分は読み飛ばしてもいいと思います。
- 9-1 プログラミング① 基礎知識
- 9-2 プログラミング② 選択処理と繰り返し処理
- 9-3 関数
- 9-1 プログラミング①
基礎知識 - 9-2 プログラミング②
選択処理と繰り返し処理 - 9-3 関数
ITパスポート試験にて「プログラミング」の関連問題は2022年4月以降に追加されてから現在までに新しい項目が追加されたことはなかったそうで、プログラミング関連の問題が増える可能性は今のところ低いことになります。
- 現状の出題数は1〜2問程度
- 覚える情報量が多いわりに問題数が少ない
以上のことから、プログラミングに関する項目を捨てても影響は少ないという考えです。簡単に目を通してみて理解できそうだと思ったら掘り下げてもいいですし、少しでも難しいと思ったら捨て問題とすることをおすすめします。
「捨て問題」でも4択問題なので25%の確率で正解します
学習④(CBT対策)
公式サイトには「CBT類似体験ソフトウェア」が用意されているので、実際のCBT試験を体験することができます。内容は年度別(現在は21回分)の過去問題なので試験勉強としても利用可能です。(対応OSはWindowsのみなので注意)
CBT試験をぶっつけ本番で挑んで操作に戸惑ってしまうと時間をロスするので、試験前にあらかじめCBT試験を体験しておくことをおすすめします。
学習⑤(通信講座)
参考書を使用した勉強方法で自分のペースを維持できないという方には通信講座がおすすめです。用意されたカリキュラムで効率よく学習しましょう。
\ 独学に行き詰まったら通信講座! /
独学での資格勉強に不安のある方は、スマホやPCで受講可能な学習講座がオススメ。通勤時間やスキマ時間を有効活用して、効率良く資格勉強をしましょう。
試験当日の詳細
私の受験エピソードとして、試験当日の流れは下記の通りです。
- 受付時刻30分前から受付開始
- 荷物をロッカーへ入れて待機
- 受付時刻に入室開始
- ログインして合図があるまで待機
- 自分のタイミングで「試験開始ボタン」を押して開始
- 1時間程度で全100問解答
- 解答が終わったら「試験終了ボタン」を押して試験終了
- 終了と同時に採点結果が表示(ここで合否がわかる)
- 試験監督を呼んで退室(呼出ボタン)
受付後の入室の際は持ち物(上着・貴重品・スマホ・腕時計など)はロッカーへ入れて、身分証明書類や目薬のみを持って入室します。計算問題に使用できるペンとメモ用紙が用意されているので使用できます。
試験終了すると採点結果が表示されるので合否が即時判明します。当日中には公式HPより試験結果レポート(試験時と同じような結果画面)をダウンロード可能です。正式な合否発表は試験日の翌月中旬頃となり、試験日の翌々月中旬頃より合格証書が発送されます。
\試験当日の様子はこちら!/
まとめ
1ヶ月間という短期集中において計画的な勉強が成功のカギです。
記憶に定着するまでじっくり参考書を読むよりも「◯日までにこの項目を読み終える」という気持ちを優先して参考書をすみやかに読み終えてください。インプット段階での理解度が低くても、アウトプット(過去問題)で解説を確認していれば思い出せることが多く、記憶にも定着しやすいです。インプットよりもアウトプットに時間をかけることが一発合格への近道かと思います。
ITパスポートで得られる知識はどんな職業においても将来の土台になる知識が豊富に含まれています。試験は受けやすく合格ハードルは低いため、少しでも興味のある方はチャレンジしてみてください。
それでは試験勉強がんばってください。